Column コラム
今回は、ほとんどのパッケージに付いている「材質マーク」について解説したいと思います。
① なぜ、材質マークはついているの?
みなさんがこのマークを見るのは、パッケージが不要になって廃棄する時だと思います。
そう、このマークは「生活者のみなさんが、廃棄する時に“なにゴミ”に出すか分別することで、ゴミをゴミではなく資源にするため」に付いています。実は、このマークをパッケージに表示することは「資源有効利用促進法」で決められているんですよ。
② どれだけ、材質マークはあるの?
「プラスチック」「紙」「PETボトル」「アルミ缶」「スチール缶」の全部で5種類です。
③ どうして、紙でできているのにプラマークなの?
プラスチックと紙の複合素材の場合は、重量が多い方のマークを表示します。
紙でできているように見えるパッケージでも、実は内側を見るとプラスチックと貼り合わせているものが多くあります。その場合、紙が50%を超えていれば「紙マーク」、プラスチックが50%を超えていれば「プラマーク」を表示する決まりになっているんです。
④なんで、紙とプラスチックを貼り合わせる必要があるの?
パッケージにはいろいろな役割があり、その中でも「内容物の品質を維持する」という大切な役割があります。例えば、食品なら外から酸素や湿気が入らないようすることや、ウェットティッシュなら中の水分が蒸発しないようにすることです。
意匠的に紙の風合いを出したパッケージを作りたいと思っても、紙だけでは内容物の品質維持が難しい場合には、意匠性から表面には紙を、内容物の観点から内側にはプラスチックを使用し、これらを貼り合わせることで1つのパッケージとして使用しています。
⑤プラマークの横に書かれているアルファベットって、なに?
プラマークには、アルファベットが書かれているものがあります。この記載は任意のため、記載されていない商品もあります。
アルファベットは、フィルムに使用しているプラスチックなどの種類を示しています。商品によっては、1種類のものもあれば、4種類以上記載されているものもあります。実は、パッケージに使用されているフィルムの多くは、プラスチック素材の特徴を活かしたフィルムを数枚ほど接着剤などで貼り合わせて製造されているのです。
⑥材質記号の豆知識
材質記号をよく見ると「PA」と書かれているものがあります。これは、「ポリアミド」という種類に含まれる「ナイロン」という材質のものを指しています。「ナイロン」はみなさんよくご存知のナイロン袋に使われている素材です。
「ナイロン袋」や「ポリ袋」「ビニール袋」は、使われている材質からそのように呼ばれているのですが、「ナイロン」を使っていないのに「ナイロン袋」とか「ビニール」を使っていないのにビニール袋って、みなさん呼んではいませんか?実は、間違った呼び方をしていたのですね!これからは、ナイロン素材の袋は「ナイロン袋」、ビニール素材の袋は「ビニール袋」、ポリプロピレン素材の袋は「ポリ袋」と呼び分けてみると、ご家族やご近所から一目置かれるかもしれませんよ!
パッケージって、知れば知るほど奥が深いですよね。
ぜひ普段は意識していないマークなどについても、興味深く見ていただくといろいろなことが見えてくると思います。
あわいひかりでは、このように暮らしの中でのちょっとした工夫やタメになるアイデアなどを引き続きドンドン発信していきます。ぜひご期待ください!
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取材・文
森本 未沙(海育ちのエバンジェリスト)