Column コラム
前回に引き続き、今回のPackage Hackは、「保存方法で食品のおいしさは変わるのか?」を、海老せんべいの老舗「志満秀」さまのご協力のもと、検証しました。食品を美味しく保存する方法について、いろいろと実験しましたので、今後の保存方法の参考にしてみてください。
〜おさらい〜
[実験のながれ]
1.志満秀海老せんべいを45日間、8つの方法で保存しました。
2.保存方法は下記の通りです。
①現在、志満秀さんが使用しているパッケージフィルム
②HDPE袋(ポリ袋)。俗にいうビニール袋。
③ジッパー袋
④ジッパー袋+ラップ:ラップに巻いてジッパー袋に入れたもの。
⑤ジッパー袋+アルミホイル:アルミホイルに巻いてジッパー袋に入れたもの。
⑥プラスチック製密封容器:容器に直接入れて蓋をしたもの。
⑦金属缶:鉄製の缶に直接入れたもの。
⑧ガラス瓶:100円ショップで販売しているガラスの瓶に直接入れたもの。
3.5名の参加者に試食していただき、どれが一番美味しいのか?を検証
4.参加者は下記の通りです。
●違いのわかるお姫様代表:りのちゃん(6歳)
●パッケージ会社の営業マン:にいさん(33歳)
●家庭のカナメ主婦代表:あゆみさん(34歳)
●負けず嫌いのちいおじさん:ひらさん(55歳)
●プラチナエイジのエンジニア:トウジョウさん(61歳)
5.試食だけではつまらないということで、それぞれのパッケージの透湿度を測定。
透湿度が低いものが湿気ることが少なく、透湿度の高いものが湿気やすいことから
おいしさの順番を科学的データに基づいて算出しました。
実際に食べておいしい順番と透湿度データの順位が一致していれば
志満秀海老せんべいがもらえる!クイズを行いました。
6.クイズをスムーズに進行するために、司会進行役に「瀬戸内暮らしの大学」でさまざまなクラスを企画し、運営している「さくらさん」をお招きしました!
[前回のあらすじ]
上記の8つの方法で45日間保存された海老せんべいを、試食前に5名の参加者が美味しく食べられると思う順に順位をつけていただきました。そして、実際に保存された海老せんべいを試食して、美味しいと感じた順に順位をつけ直していただきました。
今回は、前回試食した海老せんべいがどのような方法で保存されていたのかを発表し、あわいひかり編集部が独自に調査した透湿度検査の結果を公表。より多く正解した参加者に、ついに海老せんべいがプレゼントされます!
●MCさくらさん:
では、前回、みなさんが試食した海老せんべいは、どのような方法で保存されていたのかを、食べていただいた順番に発表したいと思います。
1番目に食べたもの:ジッパー袋
2番目に食べたもの:金属缶
3番目に食べたもの:ジッパー袋+ラップ
4番目に食べたもの:志満秀さんが使用しているパッケージフィルム
5番目に食べたもの:ジッパー袋+アルミホイル
6番目に食べたもの:プラスチック製密封容器
7番目に食べたもの:ポリ袋
8番目に食べたもの:ガラス瓶です!
みなさん、どうでしたか?予想通りでしたか?
それとも、全然違っていましたか?
●ひらさん
食べて美味しいと感じた順位と保存方法を照らし合わせてみると、金属缶>ガラス瓶>志満秀のパッケージ>ジッパー袋+アルミホイルというのが上位の順番になっています。予想通り、金属やガラスなど、昔から保存するときに使われていた容器は美味しく保存できるということですね!昔ながらの生活の知恵に感服しました。
●あゆみさん
4番目に食べたものが、志満秀さんのパッケージということは、やっぱり商品パッケージってよくできているんですね!2位3位が金属缶とガラス瓶ということは、空気を完全に遮断するものがパリパリ感が残ってて、私的には美味しいと感じられたのだと思います。
●りのちゃん
私は1位がポリ袋で、2位がジッパー袋+アルミホイル、3位が金属缶、4位がプラスチック製密封容器、5位がガラス瓶、6位が志満秀のパッケージ、7位がジッパー袋+ラップ、8位がジッパー袋という順番になりました。全部、美味しかったですが、1位は柔らかくて食べやすかったので選んだのですが、なんとなくポリ袋じゃないかと思っていました。
●トウジョウさん
私は、ガラス瓶>ジッパー袋+ラップ>志満秀のパッケージ>ジッパー袋+アルミホイルが、美味しさの上位になっています。ガラス瓶は重いし、ジッパー袋にアルミホイルやラップをプラスすれば美味しく保存できるのはわかりましたが、志満秀のパッケージがあんなに薄いのに、それに匹敵するぐらい美味しいと感じたのでとても優秀なんだと思いました。
●にいさん
僕は金属缶>ジッパー袋+ラップ>ポリ袋>志満秀のパッケージという順位で美味しいと感じました。みなさんの順位と比較してみると、ポリ袋がこんなに上位に来るのは怪しいんですけど、美味しいと感じたので自分の味覚を疑ってはいませんが、これからポリ袋で保存するかと問われれば、しないと思います!笑
●MCさくらさん
みなさんの出した結果を見てみると、金属缶やガラス瓶、志満秀のパッケージなどが上位にきていることが分かりますね。食べた時のパリパリ感や風味は、空気を通しにくい金属やガラスが優れていると味覚や食感から分かりますね。そして、さすがに志満秀さんが長い時間をかけて開発した商品パッケージだけあって、薄くて保存性が高いこともみなさんの順位から分かりますよね!
さて、最後にあわいひかり編集部が独自に調査した「透湿度ランキング」と、みなさんの出した美味しさランキングを照らし合わせて、正解の多い順に海老せんべいをプレゼントしたいと思います!
では、透湿度ランキングの結果発表!
1位:金属缶(2番目に試食)
2位:ジッパー袋+アルミホイル(5番目に試食)
3位:ガラス瓶(8番目に試食)
4位:志満秀のパッケージ(4番目に試食)
5位:プラスチック製密封容器(6番目に試食)
6位:ジッパー袋+ラップ(3番目に試食)
7位:ジッパー袋(1番目に試食)
8位:ポリ袋(7番目に試食)
●MCさくらさん
この透湿度ランキングを、みなさんの出した順位に照らし合わせてみると・・・
ひらさんが1位の金属缶を当てて、正解1個。
トウジョウさんがジッパー袋を当てて、正解1個。
あゆみさんが3位のガラス瓶を当てて、正解1個。
にいさんが1位の金属缶と4位の志満秀のパッケージを当てて正解が2個。
りのちゃんは惜しいところがたくさんあるけど正解は0個でした。
では、みなさんに試食してみた結果と透湿度ランキングを照らし合わせた感想を聞いてみたいと思います。
●ひらさん
金属やガラスなどの空気や光を通さないものが上位に上がっているので、正解は少ないですが予想通りの結果でした。
●あゆみさん
自分なりに味の評価を10段階、ニオイの評価も3段階に分けて、それぞれ試食するたびに点数をつけていたのですが、1位を志満秀のパッケージと金属缶で迷いました。逆にしてたら2個正解だったので悔しいですね。
●りのちゃん
正解は0個だったけど、海老せんべいをいっぱい食べれてよかったです。これから、たくさん食べて勉強したいと思います。
●トウジョウさん
正解は1個でしたが、空気や光を通さないものが上位にきてるので、自分の考えた方向性が間違っていなかったと思います。
●にいさん
1位と4位が当たっていたので、なんとか海老せんべい好き代表としてメンツを守れたのではないかと思います!
●MCさくらさん:
では、正解数が多い順に景品を用意させていただいているので、贈呈式をしたいと思います!
優勝は、正解数2個のにいさん!商品は志満秀海老せんべい25枚です!
2位から4位までは正解数が1個なので、あわいひかり編集部の独断と偏見で順位を決めていただきました!
2位は、鋭い観点で上位を予想した、ひらさん!海老せんべい20枚!
3位が、細かく点数を付けていた、あゆみさん!海老せんべい15枚
4位がおいしくえびせんを食べていたトウジョウさん!海老せんべい10枚
りのちゃんが最下位でしたが、海老せんべいをいっぱい食べてお勉強してほしいので、海老せんべい30枚をプレゼントします!
では最後に、透湿度検査の結果について、透湿度検査をしたあわいひかり編集部の森本さんに、詳しく解説していただきます。
せんべいが湿気る原因は空気中の水分にあります。ですから、空気を通さなければ通さないほど美味しさを維持できるというわけで、空気を通さない金属缶が1位になりました。
2位のジッパー袋+アルミホイルも金属が空気を通さないのでこのような結果になりました。ご家庭で使う場合はアルミホイルで包んだ後にしっかりと隙間を潰してからジッパー袋に入れることをおすすめします。
3位はガラス瓶です。ガラスもほぼほぼ空気を通さないので金属と同じような効果があります。瓶の中の空洞が少ないものを選びましょう。
4位が志満秀さんのパッケージフィルムです。持ち運びのしやすさと品質維持のバランスを考えれば、とても良くできたパッケージです。
5位のプラスチック製密封容器ですが、プラスチックが分厚ければ分厚いほど、空気の浸透率が低いので良いというわけです。
6位はジッパー袋+ラップで、海老せんべいを2重に包んで空気を遮断しているからです。7位はジッパー袋のみ。8位がポリ袋になりましたが、同じ厚みならポリ袋に使われているポリエチレンの方が、ジッパー袋に使われているナイロンよりも空気を通しにくいので、結果は逆になっていたと思います。
以上のことを踏まえて、これから食べ物を保存する時の参考にしていただければと思います。
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パッケージって、知れば知るほど奥が深いですよね。
ぜひ普段は意識していないマークなどについても、興味深く見ていただくといろいろなことが見えてくると思います。
あわいひかりでは、このように暮らしの中でのちょっとした工夫やタメになるアイデアなどを引き続きドンドン発信していきます。ぜひご期待ください!