Report レポート

潜入!Chinaplas 2024 (チャイナプラス2024) 第36回中国国際プラスチック・ゴム工業見本市に行ってみた!

あわいひかり代表の奥田と編集長の森本が、2024年4月23日から26日に中国上海市の国家会展センターで行われたプラスチックとゴム産業のビジネスプラットフォームの役割を担う展示会「チャイナプラス2024」に潜入してきました!

チャイナプラスとは、なんだ!?

チャイナプラスは40年以上前に始まって現在でも続いている「中国国際プラスチック・ゴム工業見本市」のことです。プラスチック産業やゴム産業のビジネスプラットフォームの役割を担う展示会で、業界では世界第2位の展示会(1位はドイツの「Kフェア」)であり、アジアでは最大規模を誇っています。

今回のミッション・ポッシブル
Mission①:中国の軟包装パッケージの現状を調査

予想通り中国の軟包装パッケージ市場は非常に多様であり、多くの新しい技術とハイレベルな機械、省力化機器が展示されていました。日本や欧米の展示会とは違い、機械が展示場でパッケージを生産しており、また企業間の競争も激しく活気に満ち溢れていました。機械だけでなく素材の分野でも、高性能化や、柔軟性と強度を兼ね備えた新素材の開発が進んでおり、その選択肢も多種多様でした。




圧巻のデモンストレーション:日本の展示会では見ることがない、大型機械を持ち込んでの実際の生産があちこちで行なわれていました。

Mission②:中国企業が考える「環境パッケージ」を調査

中国企業は、環境保護に対する意識が高まり、持続可能なパッケージの開発に積極的に取り組んでいます。日本では使用後のパッケージは焼却処分されることが一般的ですが、中国では国土が広いためか埋め立て処分が一般的です。そのため、中国の展示会では「モノマテリアル化」や「バイオマスプラスチック」よりも、「生分解性フィルム」の展示が多く見られました。これらの製品は、自然環境で分解されることを特徴とし、環境負荷の低減を目指しています。多くの企業が生分解性プラスチックや再生が可能な素材を使用したパッケージを展示しており、環境に関連するラベルの取得や環境基準の遵守も強調されていました。

Mission③:グラビア印刷・軟包装パッケージ業界のSF化を調査

スマートファクトリー*化(以下SF化)の現状についてです。グラビア印刷と軟包装パッケージ業界においても、デジタル技術の導入が進んでいます。人口が多い中国においてもSF化が進んでいることが意外でしたが、その理由は、中国国内で企業間の競争が激しく、生産性向上や効率化、自動化によるコストダウンが大命題となっているためです。多くの企業がIoT技術やAIを活用し、製造プロセスの自動化と効率化を図っています。例えば、リアルタイムでの生産モニタリングや品質管理システムの導入により、製品の安定供給とコスト削減が実現されています。また、スマートロボットの活用による物流と保管の効率化も進んでおり、生産性の向上が顕著でした。
*スマートファクトリー・・・一般的に、IoTやAI、ロボットなどの技術やデータを活用し、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンのネットワーク化・最適化・自動化を図る工場を意味します。



働き手の多い中国においてもグラビア印刷のSF化が進んでいます。

あわいひかり的「Chinaplas 2024」総括


来場者には中国人はもちろん、パキスタン人が多い印象でした。また、チャイナプラスでの講演のうち半分以上をサウジアラビアの企業が行なっており、中国と中東との経済的つながりが垣間見えました。
中国では印刷機械メーカーやフィルムメーカーなどの競争が日本とは比べ物にならないくらい激しく、企業同士がしのぎを削りながら切磋琢磨していることもあって展示会自体も非常に活気がありました。日本とは異なり、競争相手が多い分、各企業が技術とサービスの向上に努めているのでしょう。
今回の「Chinaplas 2024」の見学は、非常に有益な情報収集の機会となり、特に環境に優しいパッケージ技術やSF化の最新動向を把握することで、今後の事業展開に大いに役立つ学びと確信を得ることができました。

Okuda’s Eye:代表 奥田が見た「Chinaplas」
【熱く優しく輝く“あわいひかり”が見えました】

かつて、日本には京セラ株式会社の稲盛名誉会長から、人としての生き方[人生哲学]、経営者としての考え方[経営哲学]を学ぼうとする「盛和塾」が存在していました。残念ながら2019年に閉塾しましたが、中国では熱心な塾生が今も活動を続けています。
今回、わたしたちあわいひかり取材班は、チャイナプラスの見学にあわせて、上海の盛和塾生企業を訪問する機会をいただきました。同じく上海で稲盛氏の教えを学ぶ約40名の経営者が集まり、それぞれの未来志向の目標や、経営の悩みを語り合う場をつくってくださいました。終始、真剣に学ぼうとする上海塾生に圧倒されました。
中国は、日本以上に個人主義が強い国であるとの先入観がありましたが、ここに集まった若手経営者の皆さんは「利他の心」「大家族主義」などを大切にしながら、互いに「心を高める、経営を伸ばす」ための切磋琢磨の場として、熱心に学んでおられます。かつて、稲盛塾長は心ある企業経営者こそが明日の日本を支えるとおっしゃっていましたが、上海塾生の皆さんも、国のことを想い、会社のことを想い、家族や大切な仲間を想う、素晴らしい方々が集う場でした。





Morimoto’s Eye:編集長 森本が見た「Chinaplas」
【チャイナプラスの会場では、ゴミの分別は3種類。】

湿垃圾は「生ゴミ」、干垃圾は「乾燥ゴミ」、可回収物は「資源ゴミ」。日本では、ゴミ処理は焼却がほとんどなので「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」に分けますが、中国では、埋め立てることが多いため、生ゴミと乾燥ゴミという分別が面白いと思いました。国によってゴミの処分が違い、処分方法によって分別も変わってくることに感心しました。



  • 取材・文

    森本 未沙(海育ちのエバンジェリスト)