Report レポート

商品に付加価値を与えてくれる「GPマーク」

日本印刷産業連合会が認定した基準を満たす印刷会社の印刷物にのみ使用が認められる「GPマーク」。現在、商品パッケージに積極的にGPマークを採用されている菓子製造会社「あわしま堂」関東営業部 部長の市川晋さまに、GPマークを包材に印刷するようになった理由やそのメリット、一般生活者の反応などをお聞きしました。

あわいひかり:本日はお忙しいところ、お時間を作っていただいてありがとうございます。
早速なのですが、あわしま堂さまがGPマークに関心を持たれたのは、どのような理由からでしょうか?

市川:今の時代において環境に配慮するということは企業にとって取り組まなければならない大きな課題の1つだと思っています。でも、環境に配慮するがために商品のコストに響いてしまうと、製造する私たちにとっても、お客さまにとっても喜ばしいことではないと思うのですが、取引のある印刷会社さまから弊社企画部へのご提案で、コストを上げずに環境にも配慮できるということで採用させていただきました。



あわいひかり:環境に配慮されているということで、GPマークをパッケージに表示されるようになったのですね?

市川:そうです。弊社の主力商品であるどら焼きなど、今ではフィルムを包材として使っている商品のほとんどにGPマークが付いているんじゃないですかね。

あわいひかり:GPマークが付いていることで、良かった点はありますか?

市川:実際に商品を購入いただいて召し上がっていただくお客さまから直接のお声というのは頂戴していないのですが、商品を置いていただくスーパーマーケットやデパートには、環境にやさしいパッケージを使用している点を他社との差別ポイントとして認識していただいているのかなと思います。

あわいひかり:なるほど、包材の違いってそれほど大きな問題ではないように思いますが、大手のスーパーマーケットやデパートなど環境保護への意識が高い企業にとっては、大きな違いなのでしょうね。
パッケージ以外に、あわしま堂さまではどのような環境対応やサスティナブルな活動をされているのでしょうか?



市川:弊社では、九州や栃木のデポに太陽光パネルを設置して自然エネルギーによる電力の確保を行ったり、フードロス対策の一環として、型崩れや内容量の不足など自社の基準を満たさないために商品として出荷できなかったお菓子を地元愛媛県の保育園や子ども園に無償でご提供させていただいたり、お取引企業様にご提供させていただいたりしています。

あわいひかり:生産者責任として、フードロスに対して厳しい法令などが整備されるという話もあると聞きますので、食品会社にとっては大きな問題ですね。
そのほかに、これから取り組まれようとしている活動はありますか?

市川:これからはさらに環境に対する意識の高いお客さまが増えてくると思いますので、その人たちに対してアピールできる商品やパッケージを考えなければいけないと思っています。例えばバイオマスフィルムやライスフィルムなど、環境にやさしい材料を使用したパッケージの採用も検討していかなければいけないでしょう。
でも、最初にお話ししたように、商品の価格が跳ね上がるようなパッケージでは本末転倒ですので、コスト面も大きな課題でしょうね。



あわいひかり:今後、環境負荷が少ないパッケージについて、どのようなことを期待されますか?

市川:やはり、環境と価格のバランスが取れた包材を提供していただきたいですし、デザインの自由度が高いフィルムや薄くても強いフィルムなどにも期待したいですね。
また、賞味期限を延ばせるもの、冷凍保存しても品質が落ちないものなどが登場すれば、私たち食品製造業界にとってはフードロス対策としても大きな手助けになると思います。

あわいひかりでは、これからも『あっ!』と驚く新素材や『なるほど!』と感心するエコな素材はもちろん、環境にいいことに取り組む企業や団体、人をご紹介していきます!

  • 取材・文

    森本 未沙(海育ちのエバンジェリスト)