Series 連載
『間』と書いて『あわい』と読むことをご存知でしょうか。
現代ではあまり使われない大和言葉のようですが、次のような意味があるそうです。
『間』『あわい』とは、物と物のあいだ、距離、関係性。
『間』『あわい』とは、時間と時間のあいだ、時間的隔たり。
『間』『あわい』とは、人と人の間柄、相互の関係。
そこには単なる何かと何かの間という空間ではなく、意味のある空間が存在しているような気がしませんか?
このあわいひかりでは、人と自然と、今と過去と、誰かと誰かの間(あわい)について考えていこうと思います。
大西 貴志(エコロジカルパスファインダー)
「鳥の目、虫の目、魚の目」で未来への道を探します
県外から香川県に観光に来た友人を車に乗せて走っていると、よく聞かれることがあります。
『なぜ香川県の山はおむすびみたいな形をしているの?』
普段からそれを見慣れた私はこれまで特に気にしたことはありませんでしたが、香川県にはそのような形をした山がたくさんあります。
それではどうして、香川県の山はなぜおむすびみたいな形なのでしょうか?
今回はその成り立ちを調べてみました。
まず時代はおよそ1400万年前まで遡ります。
当時の香川県を含む瀬戸内の一帯では、『瀬戸内火山活動』と呼ばれる激しい火山活動が起きていたと考えられています。
そのときの火山活動の中で、地下のマグマが地表に出てくる途中で冷えて固まったものが、安山岩と呼ばれる硬い岩になりました。
そして、この安山岩の周りにあった比較的柔らかい花崗岩が、長い長い年月の間に風雨により削られ、硬い安山岩が鉛筆の芯のように残りました。
これがおむすび山が誕生した仕組みと言われています。
また一方で、風化して細かく砕けた花崗岩は川を下り、やがて瀬戸内海に流れ着きます。
そして海流の影響を受けて海岸に堆積し、瀬戸内の砂浜を作り上げているのです。
現在多くの観光客が訪れる父母ヶ浜も、大昔から続く大地の営みの上に出来上がった芸術品なのです。
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撮影
大西 貴志(エコロジカルパスファインダー)