Series 連載
海辺などのプラスチックごみを回収してがんばって映え写真に昇華して成仏させた上で廃棄処分する、それが本企画「映えプラ」のコンセプト。最終的にこの企画が実行不可能になる(=プラごみの消滅)ことを目指してます。道のりは長い。しかしこれこそハチドリのひとしずく。志とクリエイティビティの融合をお楽しみください。
矢野 豊(名映えプレイヤー)
1984年1月17日生まれ。香川県出身、在住のデザイナー。おもしろいこと、イケてるデザイン、怖い話、カレー、ゴジラが好き。
♪かな〜しく〜て〜かな〜しくて〜とて〜もや〜り〜きれ〜ない〜
どうも、悲しくてやりきれない映えプラです。
なにがそんなに悲しいのか。拾っても拾ってもキリがない海ごみにやりきれなさを感じていると思ったそこのあなた、ハズレです。
筆者、実は先日ギックリ腰をやってしまいまして、屈んでゴミを拾うという動作が非常にやりづらい体になってしまったのです。とは言えだいぶ良くはなっており、多少の痛み、違和感はあるもののやってやれないことはない!という映えプラ魂を燃やしてまたまたホーム浜(有明浜)に来た次第です。
さていつものようにごみを拾うか…と、今回はニューアイテムを用意しているのです。
ババーン!
マジックハンド〜
ダイソーで購入したマジックハンド(ちょっと離れたものが取りやすい)です。ダイソーなのに500円もしました。でもいいのです、これで前屈みにならずともごみが拾えるのですから。
お〜これは便利…って、実はごみ拾いにマジックハンドを使うのは今回が初めてではありません。映えプラ古参ファンなら気付いているはず。そう【第4映え】ですね。懐かしいな〜。このときすでにマジックハンドの有用性は体感しております。まさかこのときは「マイマジックハンド」を手に入れることになるとは思ってもみなかった…(いいから早くごみ拾え)
ではでは早速ごみ拾い開始〜
トコトコ…
この日はタイミング的にかなりの引き潮で、長靴未装備だったにも拘わらず磯の沖の方までグングンいけました。
↓の写真はグングンいったところから浜辺に向かって撮ったものですが、引き具合がわかりますかね?いやわからないか〜。
グングンいけるということはごみを探せる範囲が広いということで、かなりウロウロしたんですが、なぜかごみがない!いやいいことなんですよ、そりゃごみなんてないほうがいい。しかし映えプラ的にはちょっとくらいあってもらわないと…いやいや、なんてことを考えているんだ、ごみがあってほしいだなんて!クッ、いつかは向き合わないといけないこのジレンマにまさかこんな早くに…!
とか考えながらとにかくごみを探します。一旦砂浜の方に戻って、今度は浜に沿って探していきます。
トコトコ…
ないないない…こんなにごみがないのは有明浜にしては珍しい…気がします。
最近は父母ヶ浜に負けず劣らず、ここ有明浜でもイベントが行われることが(比較的)多いです。だからなんですかね〜、有志の方々が拾ってくれてるんですかね、だとしたらいいことです。
黙々とひたすら歩いてたらついには有明浜の終点(?)に着いてしまいました。
通称九十九山がこれくらいの大きさに見えるところが終点(北側の端っこ)です
相変わらずごみ取れ高は低いですが折り返します。
トコトコ…
なにやら映像の撮影をしてました。
生まれて初めて「今撮影してるので少しお待ちいただけますか?」と言われました。止められなかったら危うくマジックハンドとごみ袋を持った不審な男が銀幕デビューするところでした、ふぅ。
何の作品かはわかりませんが、たぶんしっとりした感じの作品でしょう。そんな作品に似合いの浜ですから、ここは。
おっ、本番OKが出たようです。ではトコトコ再開。
トコトコ…
ふ〜…疲れた。
ギックリ腰が完治してないなかで延々砂浜を歩くのは思ったよりハードです。結局ごみもあまり集まらず、さらにそこから映えを求めるのは至難の業。こんなときはやっぱりあれの力を借りるしかないですな。
タイトル「PLASTIC EDGE」
おくりびとネーム : Yano
夕日を受けてシルエットになるごみ。そして煌めくエッジ。
光はあらゆるものに美を宿してくれますね…。さてお腹も減りましたし、そろそろ帰りましょうか。
それではまた。
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取材・文
矢野 豊(名映えプレイヤー)