第一話　正直、紙ストロー苦手なんです

年の瀬。二日酔いの罪悪感を緩和するため、某おしゃれタウンのカフェに行きました。爽やかな男子大学生らしき店員の人、「今日のブレンドはグアテマラ産です」。

ああそうですか。

二日酔いで味わかんないし、なんでもいいです。滅多にカフェとかは行かないんですけど、たまに行くといつも思うんですよね。どこ産とか、僕がわかると思いますか？グアテマラを待つ間に店内を見渡すと、おしゃれMacを開いてライフハックについての記事をみている学生。ミニマルに暮らす感じですか?生活のほとんどをサブスクで？レジもキャッシュレスですか？別にお金使わなくてもスマホあればエンタメもゲームもなんでもできるし？お酒も敢えて飲まないのがオシャレ？

やっぱり昼飲み行けばよかった。

僕だって学生の頃に君たちの考え方を手に入れていたら、オシャレなカフェや服屋でバイトしていたのに。なんで淀川の河川敷で銅線を仕分けするバイトをしたのだろう？どうしてパチンコ屋の開店に並ぶだけのバイトをしたのだろう？

やっぱり立ち飲みでもよかった。

「お待たせしました、アイスコーヒーのショートです」。グアテマラを受け取るとブラック派の僕はトッピングにも目もくれず、いつものようにストローをさがした。ストロー、ストローはどこかな？

はい出ました、環境に配慮した紙ストロー。

正直、僕だって紙ストローが環境に良さそうなのも、使った方がいいのもわかるんです。意識高いとも思われたいし。わかるんですけど飲みづらいんですよ。ちょっと太いし、空気も一緒に吸い込むし、最後の方ふにゃふにゃになるし、紙の匂いするし。政府のみなさん、環境と快適の両立にはまだ時間がかかりそうですか？そんな紙ストローと格闘中に目を疑う張り紙が。

「必要な方はプラスチックストローもあります」。　。　。　。

それはそれでどうなん？

東京都目黒区自由が丘「よりみち横丁にて」