Series 連載

海辺などのプラスチックごみを回収してがんばって映え写真に昇華して成仏させた上で廃棄処分する、それが本企画「映えプラ」のコンセプト。最終的にこの企画が実行不可能になる(=プラごみの消滅)ことを目指してます。道のりは長い。しかしこれこそハチドリのひとしずく。志とクリエイティビティの融合をお楽しみください。

矢野 豊(名映えプレイヤー)

1984年1月17日生まれ。香川県出身、在住のデザイナー。おもしろいこと、イケてるデザイン、怖い話、カレー、ゴジラが好き。

【第7映え】浜辺白波

全国津々浦々の映えプラ読者のみなさん、お待たせしました。映えプラです。
前回投稿の冒頭で「今度は寒い寒いと言ってるのです」と書いており、まさに今寒い寒いと言っている季節であります。でもあと数ヶ月もすれば桜の季節となり、また暑い暑いと口にするのもあっという間でしょう。めぐるめぐるよ季節はめぐる。

そういえばこの「あわいひかり」というメディアも昨年1月15日のスタートから気付けば一年と数日が経ちました。慌ただしく過ごす中で一周年を祝うこともなく今に至りますが、今後も末永く発信できるようがんばりますので、映えプラともどもよろしくお願いいたします。

ではそろそろ映えプラしていきましょう。時を遡ること2024年12月29日。この日は毎月行われている父母ヶ浜清掃の年内最終日でした。ここしばらくはホーム浜である有明浜での映えプラが定着していたので、久々に父母ヶ浜で…と思い参加しました。
現地に到着する前からうすうすそうではないかという疑念はあったのですが…風が強かったです。渡されたごみ袋がバタバタとはためくほどに。


見てよこのはためくごみ袋

海も瀬戸内海らしからぬ白波が目立ちます。
鳥も風に流されがち。


父母ヶ浜的にこの白波量はレアな方です

久しぶりの父母ヶ浜で忘れてましたが、ここは映えプラ的には難易度の高い浜でした。なぜってごみが少なめだから。強風に辟易しながらも波打ち際を攻めてみるも収穫はイマイチ。いやごみが少ないのはいいことです。映えプラなんてこの世からなくなるべきなんです。


しかしこの撮れ高で映えさせるのむずいな…

あまりの撮れ高の悪さにこの日の映えプラは諦め(風も強いしね)、一旦ごみを持ち帰ることに。

そして時は流れて2025年1月某日。


映えプラ的にはおなじみの景色!

やってまいりましたホーム浜の有明浜。あ〜やっぱり落ちつく〜。今をときめく父母ヶ浜より古豪とも言うべき名勝・有明浜がわたしには似合いです。
父母ヶ浜で集めたごみに「追いごみ」をして撮れ高を稼ぎ、年を跨いでの映えプラを完成させよう!という魂胆です。では早速…。


デジャヴ?

風が強いのよ〜。なんで?冬の海っていつもこう?あ〜やだやだと思いながらもテクテク始めます。今回は父母ヶ浜と違って単独行ですから、はた目には酔狂な不審者です。まあこれまでの映えプラでも単独行は慣れっこですからへっちゃらへっちゃら。なんならごみを独り占めできてサイコー!ってなもんです。それくらいでないと名映えプレイヤーは名乗れません。


こんな強風の日でも誰かしらはいます

やっぱり父母ヶ浜に比べてごみは多め。有明浜には市の指定天然記念物となっている海浜植物が生い茂っているんですが、それがごみを引っかけていることが多いんですね。保護すべき植物群にごみが絡んでいるのは目に毒です。成敗成敗!

それにしても風が強い。晴天なら映えるこのベンチ↓もこのコンディションだともの寂しくて恐怖すら感じる。こんな有明浜映えプラでしか見られないよ。


市の観光サイトでは見られないリアルがここに

ごみ多めの有明浜(悲しい)のおかげで程なく袋はパンパンに。さてそれではどこかでごみを広げて映えプラするかとぽてぽて歩く先に黄色いベンチが目に入る。そしてそこにはひとつのごみが…。


祭りの出店で買ったであろうビニール風船の残骸。ハロークロミちゃん

これを見つけた瞬間、自称IQ300の脳が瞬時に今回の映えプラを完成させました。
それがこちら。



タイトル「ごみを乗せて」
おくりびとネーム : Yano

大量のごみを乗せた(正確にはぶら下げた)風船が遠い遠いごみの楽園、ごみランドに向かうお話。そんなイメージで構成しました。決してごみを広げるのがめんどくさかったとかではないですよ。状況をうまく利用した結果こうなったというだけのことです。

そんなご都合主義にお付き合いいただいたところで、今回の映えプラ、お開きといたします。

それではまた!

  • 取材・文

    矢野 豊(名映えプレイヤー)