Series 連載

地球の環境と家計を守るために始めた片道26キロの自転車通勤!
わたくし、自転車通勤部部長の林健二。
まだ部員1名ですが、お休みしつつなんとか続けていますが、いつまで続くことやら・・・

林 健二(リエゾン)

【第四走】山笑う中を走る

NEW

ついに、スギとヒノキの花粉祭りが終わりました!
心地よい空気に包まれて、暑くもなく寒くもなく、最高の季節が到来しました!

色とりどりの新芽が山を覆い、表情がとても豊かです。
この季節の山々を、昔の詩人は「山笑う」と謳っています。
山が笑って盛り上がってます。
わたしの気持ちも盛り上がり、顔もココロも笑っていることはいうまでもありません!
最高のシーズン!自転車通勤、再開します!!

さて、町から外れた山間の国道をひたすら走ります。
アップダウンの続く道に心臓と太ももが刺激されつつ、田んぼや畑、里山の景色が心を癒してくれます。


自給率100%だった主食の米がついに輸入か!と嘆かれるなか、
田植えを終えたばかりの幼いイネに「頼むぞー!秋までしっかりと育ってくれ!」とエールを送ります。


米が無い一方で、田舎道を走りながらいつも思うのは、耕作できる土地や豊富な水に恵まれているのに、草が生い茂る休耕地が増えてきたことです。


いったん雑草が生えてしまうと、畑や田んぼに戻すのはとても苦労すると、
専業農家の父が話していたのを思い出します。
お米を作るには、土づくりや種まき、田植え、収穫だけでなく、
水の管理や草とりなどといった手入れが欠かせません。
そうは言っても、子供のころから田んぼに囲まれて育った僕としては、
いつか田んぼを耕しながら暮らしたいという気持ちを
ずっと心の奥底にしまい込んで過ごしてきました。
年を経るにつれ、その気持ちが大きくなっているのを感じます。
僕のような未来予想図を描いている人たちと「耕作放棄地」をシェアできたらどんなにいいでしょう。
そう思う反面、まだまだ会社は辞めませんのでご心配なく!

そんなことを考えながら、お馴染みのうどん屋さんにゴールイン。


今回も同僚と一緒に、うどんを食べての出勤です。
しかし、同僚をちょっと待たせてしまいました。

「遅くなってごめん。向かい風だったから。」と
フランス映画でしか聞いたことのないセリフとともに、
いりこの効いた“かけうどん”を注文。


朝6:30~8:00のわずかな時間だけお店を開いてくれる製麺所の上杉食品さん。
舌の肥えたサヌキ生まれの同僚も、満足そう。


つきあってくれてありがとう!

さて、ここから会社まであと数キロ。
刈り入れ間近の麦畑が、目に鮮やかです。


初夏の季語で、麦秋(ばくしゅう)というそう。
昔からの季語が、今の時代にもピタッとはまるんですね。
冒頭の「山笑う」もそうですが、山に自然がちゃんと残っていること。
耕作の文化をずっと受け継ぎ、守り続けている人たちがいること。
脈々と続いてきた自然と人との当たり前の日常が
自転車のスピードで見ると、とても貴重で贅沢に感じた54歳の初夏でした。

次回も、季節とうどんを噛みしめたいと思いますので乞うご期待を!

  • 取材・文

    林 健二(リエゾン)