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「第5回かがわ食品ロス削減大賞/第2回かがわプラスチック・スマート大賞授賞式」
香川県環境森林部が5年前から行っている食品ロスの削減に積極的に取り組む団体や企業を表彰する「かがわ食品ロス削減大賞」、そして、昨年から実施されているプラスチックゴミの削減に取り組む団体や企業を表彰する「かがわプラスチック・スマート大賞」。同時に行われた授賞式に、あわいひかりも参加しました。
私たちの生活や事業活動から発生している食品ロスは、日本全体で年間約472万トン。香川県においても、毎日100トン以上の食品が捨てられていると考えられています。
また、最近では海洋プラスチック問題などが注目され、プラスチックゴミの削減やリサイクルの推進が大きな課題となっています。
そのような背景もあり、香川県では環境森林部が中心となって県民や事業者、団体への啓発活動に取り組んでいます。その一環として「かがわ食品ロス削減大賞」や「かがわプラスチック・スマート大賞」が設けられ、食品ロスとプラスチックゴミの削減に向けて個人や企業、団体などが行なっている素晴らしい取り組みを表彰し、多くの方に知っていただく機会を作っています。
今回、受賞された取り組みは、どれも素晴らしいものばかりでしたので下記にてご紹介したいと思います。
第5回かがわ食品ロス削減大賞
●環境森林部長賞(大賞)
受賞者名:香川県立多度津高等学校 海洋生産科栽培技術コース
取組内容:飲食店グループの遊食房屋、香川大学、庵治漁業協同組合と連携し、うどんの製造過程で出る廃棄うどんや出汁ガラをムラサキウニの畜養用餌料として有効活用し、新たな特産品『讃岐うどん雲丹』の開発に取り組んでいます。 また、この取組みを通して「磯焼け」の原因と言われているムラサキウニを回収することにより、「磯焼け」を防止し、地域漁業を活性化させることを目指しています。
●たるる賞(優秀賞)
受賞者名:SICSサステナブルラウンジ/NEO TAKOBALL STANDクセモノズ
取組内容:NEO TAKOBALL STANDクセモノズでは、市場に出回りにくい魚や野菜を活用したメニューを提供しています。また、MOTTAINAI BATON株式会社・香川大学教育学部附属高松小学校と共同で、地元の食材や市場に出回りにくい食材を使用したレトルトカレーを開発しました。 それに加えて、コミュニケーションラウンジ『SICSサステナブルラウンジ』では、環境・食に関するワークショップ、セミナー、清掃活動や地元の小学生に向けた校外学習の開催等に取り組んでいます。
受賞者名:香川県立農業経営高等学校 農業生産科
取組内容:県内の事業者の方々と連携し、高校で栽培した野菜や果物のうち規格外品等を活用した商品開発や販売に取り組んでいます。 これまで、さぬきワイナリーとの規格外果物を活用したワインや、社会福祉法人ナザレの村とのアスパラガスの未利用部分(茎元)を活用したドライカレーなど、共同開発・販売を行ってきました。
受賞者名:香川県立笠田高等学校
取組内容:地元の製麺所から廃棄予定のうどんの切れ端を提供してもらい、笠田高校畜産部で飼育する豚に飼料として与えることで、『笠高産讃岐うどん豚』の開発に取り組んでいます。 定期的に体重や飼料要求率の計測を行い、廃棄うどんの飼料としてのデータを収集するとともに、飼育した豚についてはゆめタウン三豊での試食販売や食味アンケートを行ってきました。
●協力店特別賞(特別賞)
NEO TAKOBALL STANDクセモノズでは、市場に出回りにくい魚や野菜を活用したメニューを提供しています。また、MOTTAINAI BATON株式会社・香川大学教育学部附属高松小学校と共同で、地元の食材や市場に出回りにくい食材を使用したレトルトカレーを開発しました。 それに加えて、コミュニケーションラウンジ『SICSサステナブルラウンジ』では、環境・食に関するワークショップ、セミナー、清掃活動や地元の小学生に向けた校外学習の開催等に取り組んでいます。
第2回かがわプラスチック・スマート大賞
●環境森林部長賞(大賞)
受賞者名:大手前丸亀中学・高等学校 TSUNAGU
取組内容:海・川・陸の清掃活動、家庭の不用品回収、オリジナル紙芝居の読み聞かせ、余り布アップサイクルなど、環境に関わる活動を続けています。 2024年度には文化祭のバザーにおいて、「使い捨てプラスチックごみゼロチャレンジ!」を行い、保護者や卒業生らの来場者に容器やお箸の持参を呼びかけ、持参していない来場者には同校の食堂の丼やランチプレート等を貸し出し、「使い捨てプラスチック容器ゼロ」を実行しました。生ごみや持ち込まれることで排出されたごみは最終的に固形燃料に生まれ変わらせました。
●プラスチックスマート賞(優秀賞)
受賞者名:株式会社北四国グラビア印刷
取組内容:食品パッケージについて、フィルムの薄肉化やバイオマスフィルムの積極的な採用により、石油由来のプラスチックの使用量を削減しています。 なお、バイオマスフィルムについて、食用に適さない古米や精米時に発生する破砕米といった廃棄されてしまう非食用米を原料とする国産バイオマスプラスチックを使用しフィルムを開発しました(米っとフィルム)。そのフィルムは、テーブルマーク株式会社のパックご飯のパッケージとして採用されています。
受賞者名:特定非営利活動法人クリーンオーシャンアンサンブル
取組内容:海洋ごみ問題の解決に向けて取組みを行っており、小豆島町坂手で毎月1回ビーチクリーンを実施しています。 また、廃棄漁網を用いた漂流海洋ごみ回収装置の開発、回収ごみ再資源化のための外部事業者との連携強化を行っています。 さらに、回収した海洋ごみの回収量と組成データの収集・分析等を行い、回収した海洋ごみデータを確認することができる海洋ごみマップを開発し、ホームページ上で公開しています。
受賞者名:株式会社味のちぬや
取組内容:コロッケを製造するための原料が入っているビニール袋について、従来は混合廃棄物として処理し、サーマルリサイクルの原料として利用していました。この度、産業廃棄物処理時のCO2排出量削減のため、工場内での分別方法を工夫し、協力企業と連携して、ケミカルリサイクル(油化還元事業)を開始しました。 また、輸送時のCO2排出量削減のため、圧縮機の導入やパレット積載方法を工夫し、配送効率の向上にも努めています。
●スマートショップ特別賞(特別賞)
受賞者名:株式会社マルヨシセンター
取組内容:香川県内20店舗(全店34店舗)でプラスチックトレーの分別回収及びリサイクルに取り組んでいます。 また、全店舗でマイバッグ、マイバスケットの持参を推奨し、レジ袋の削減に努めるとともに、レジ登録時に水濡れの恐れのあるものに限り、ビニール袋入れサービスを行うなどにより、店舗で使用するビニール袋も削減しています。

今回、受賞された取り組みは「食品ロス削減」では、未利用の食材や規格外の食材、廃棄される食材を有効活用した商品開発や啓蒙活動が目立ちました。
また、「プラスチックゴミ削減」では、使い捨てプラスチックを使用しない・出さないイベントの開催や食品パッケージに植物由来のバイオマスプラスチックを利用したフィルムの利用、海洋ゴミの清掃や解析マップの制作、廃棄物を化学的に分解して原料に戻すケミカルリサイクル、マイバッグの使用や不要なビニール袋の削減など、多様な取り組みが受賞し、今後、効果的な広がりが期待できるものばかりでした。
今回の授賞式で取り上げられた取り組みに関して、あわいひかりでは、もっと深掘りして取材したいと考えていますので、ぜひご期待ください。
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取材・文
森本 未沙(海育ちのエバンジェリスト)