Series 連載

海辺などのプラスチックごみを回収してがんばって映え写真に昇華して成仏させた上で廃棄処分する、それが本企画「映えプラ」のコンセプト。最終的にこの企画が実行不可能になる(=プラごみの消滅)ことを目指してます。道のりは長い。しかしこれこそハチドリのひとしずく。志とクリエイティビティの融合をお楽しみください。

矢野 豊(名映えプレイヤー)

1984年1月17日生まれ。香川県出身、在住のデザイナー。おもしろいこと、イケてるデザイン、怖い話、カレー、ゴジラが好き。

【第3映え】花も嵐も

2024年3月3日。
わたしはこの日を一生忘れないだろう。なぜならめちゃくちゃ寒かったから。春先とは言え3月初旬なんてほぼ2月みたいなもので、ましてや早朝(7時)とくればそりゃもうガタガタもんです。
さてそんな寒い寒い言ってる映えプラ第3回はどこからお送りするかと言いますと、今や海浜清掃のメッカと言っても過言ではない、父母ヶ浜でございます。父母ヶ浜の清掃の歴史についてはこちら↓が詳しいので、ぜひご覧ください。

https://www.mitoyo-kanko.com/chichibugahamahistory/

今回はこのすばらしいストーリーをもった「父母ヶ浜の清掃」の威を借りる?…いやいやご相伴にあずかる?…まあ要は乗っかる感じでやっていこうということです!「乗っかり力」も大事ですからね。


寒すぎて思考回路がショート寸前のおくりびとYano(y)

焚き火があったり道具が充実していたりで、手練れ感がすごい

写真では寒さまでお伝えできないのが残念

さすが歴史ある清掃活動ということで、人の集まり、そうじ道具の充実度、流れなどはその蓄積を感じさせるものです。あれがない、これが足りないとか、次はどうしたらいいの?とかいったグダグダ感が一切ない。余裕があります。例えるなら映画「マトリックス」のラストで覚醒したネオ(アンダーソンくん)がエージェントスミスを片手でいなしてるときの余裕感とでも言いましょうか。

なのでわれわれあわいひかりメンバーも安心して…おっと紹介が遅れました。今回映えプラ班として参加したのはあわいひかりが誇るライター陣数名+α。前回の孤独とは打って変わって頼もしい限り。やはり数は正義、数は力です。

そして今回の映えプラ作品作りには少し考えがあります。冒頭にわざわざ日付を出してるのでピンときた方もおられるでしょう。そう、そうですね、ひなまつりです。集めたゴミでひな飾りを作ろう!という考えです。ナイスなアイデアだぜ…と悦に入る一方で果たしてそんな映えるゴミをゲットできるのかという不安もよぎりましたが、そこはもう運試し。初詣で引いた「大吉」を信じます。

前置きが長くなってしまいました。そういうわけでいよいよ清掃&映えるゴミ探しの始まりです。


寒いよ〜

終了です。

いやもうほんと寒かったんですねこの日。加えて風もすごい強かった。というかすごい強い風のせいで寒かったと言うべきか。ゴム手袋の中の指は芯まで冷え、強風吹き付ける目からは涙がポロポロこぼれます。つらいつらい。帰りたい。もう修行でした。

そんな修行のかいあってか獲れ高は上々。わたしの方はさっぱりだったんですが、やっぱり数は正義、優秀な映えプラ班に恵まれました。ゴミ袋の中にはひな飾りに良さげなゴミもちらほら見えます。

よ〜しじゃあ早速作品作り…といきたかったんですが、なにぶんすごい風が吹いてるもんでそれどころじゃないしもう帰りたい。ならどうするか…ああっ!天啓にうたれました。


見よ、この微塵も寒さを感じさせない面構えを

ひな飾りが作れなければひな飾りになればいいじゃない。
マリーアントワネットもびっくりのこの発想。いや〜記念写真にもなっていいじゃないですか。めでたしめでたし。


じゃないんだよ!
これで許されるほど映えプラ道は甘くない!出直して来〜い!

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時は流れて数日後
集まりたるは映えプラ班
あの日集めたゴミの山
如何にしようかひと思案
あーだこーだと言いながら
組み上げましたよひな飾り
さあさとっくとご覧あれ
映えプラPresentsのひな飾りだ〜い!


これが令和のひな飾りかっ!

かわいい〜

タイトル「ごみなさま」
おくりびとネーム :Yano(y)、Yano(a)、Okazaki、Kita ※合作

集まったゴミの中にインコのおもちゃがあったのがウルトラGoodポイント。あとはパートナーになるオブジェクトを見つけて、お内裏様とお雛様の完成。それをデコレーションしていく感じで大物小物を配置しました。造形バランス、配色バランスを見て、かなりうまくまとめられたと思います。向かって左にある青と緑のグシャグシャ、右の松ぼっくりはそれぞれ橘と桜のイメージです。そして背後にあるバケツの取っ手(?)、この弧が作品をまとめ上げるのにかなり重要なアイテムとなっているのはみなさんも気付くところでしょう。ボールと組み合わせることでやじろべえチックになっているのもExcellent!撮影時にはわずかな風にも揺れ、まるでインスタレーションのよう。ちなみにお雛様の顔はマジックで描きました。これくらいの加工はお許しください。

なにはともあれ、またひとつ映えプラ作品を生み出すことができました。この調子でどんどん供養していきますので、これからも応援よろしくお願いします。では!

  • 取材・文

    矢野 豊(名映えプレイヤー)