Series 連載
海辺などのプラスチックごみを回収してがんばって映え写真に昇華して成仏させた上で廃棄処分する、それが本企画「映えプラ」のコンセプト。最終的にこの企画が実行不可能になる(=プラごみの消滅)ことを目指してます。道のりは長い。しかしこれこそハチドリのひとしずく。志とクリエイティビティの融合をお楽しみください。
矢野 豊(名映えプレイヤー)
1984年1月17日生まれ。香川県出身、在住のデザイナー。おもしろいこと、イケてるデザイン、怖い話、カレー、ゴジラが好き。
は〜るの〜うら〜ら〜の〜財田川〜♪
財田川(さいたがわ)とはあわいひかり編集部のある観音寺市に河口を持つ、地元民的には隅田川に勝るとも劣らないソウル河川です。そんな財田川河口からつながる有明浜が今回の映えプラスポット。映えプラ愛読者のみなさんなら「おっ」と思うはず。記念すべき第1映えと同じスポットです。4回目にして凱旋を果たすとかちょっと手を抜いてるんじゃないか!と思ったそこのあなた、違うんですよ、そう早合点しなさんな。
今回の映えプラは前回父母ヶ浜で採用した「乗っかりシステム」第二弾でして、乗っからせていただいたのは「有明浜の海浜植物とアサギマダラ飛翔会」(以下飛翔会)というボランティア団体での活動になります。この飛翔会については下記サイトをご覧いただければディテールがわかります。(毎月有明浜の海浜清掃を行っているそう)
https://www.ariakehama.org/
わたしの妻がこの飛翔会に参加していて、4月13日に海浜清掃に行くと言う。ならばそこで映えプラをやろう!と思わない夫がいるだろうか。いやいない。
そういうわけで今回も元気に映えプラしていきましょう!
ちなみに飛翔会による有明浜清掃とちちぶの会による父母ヶ浜清掃、どちらも有志による素晴らしい活動ですが、その趣には違いがあっておもしろいです。ちちぶの会がゴールデンタイムの番組だとするなら、飛翔会は深夜番組といった感じ。なんでしょうかね、飛翔会の方がゆる〜い雰囲気です。わたしは好きです。
そのゆるさがにじみ出ている(というか大いに発露している)のがこちらのこしひかりの袋。これ拾ったゴミじゃないですよ。支給された「ゴミ袋」です。いや〜いいですね、あるものを使う、すてきです。問題は容量があんまりないということくらい。
あと100均とかで売ってるマジックハンドを支給されました。父母ヶ浜で海浜清掃慣れしてる身(おこがましい)からすると「特に必要ないかな…」と思いつつも受け取り試しに使ってみると意外や意外、結構というかかなり便利でした。清掃を行ったエリアはなにやら海浜植物の枝?が広く生えていて、落ちているゴミを拾おうとするとそれがすんごい邪魔をしてきます。そこにこのマジックハンド!スキマを縫ってゴミを拾い上げるのに超便利でした。先人の知恵は偉大です。井の中の蛙を恥じました。
そしてゴミを拾っているとあることに気付きました。
「このエリアはペットボトルが少ないな〜」
そうなんです、これまで海浜清掃をしてきた中で多いと感じたゴミナンバーワンのペットボトルが少なかったんです。たまたまかも知れませんが、何か理由があるのかも。逆に多いと感じたのが軟包材。お菓子の袋に食品の袋、新しいもの古いもの、大きいもの小さいもの、いろいろありました。それぞれの海浜とゴミの種類に何か相関関係があるのか、分析するのもおもしろそうです。
そんなこんなで清掃も終わり、映えそうなゴミもゲットできました。あとはこれで作品を作って…ああっ!天啓にうたれました。もう葉桜になっているとは言え、まだ桜を愛でられるタイミング。これを利用しない手はない!というわけで少し移動して琴弾公園にやってきました。
これをこうして、えーとえーと…
タイトル「ねこ元気でも海しょんぼり」
おくりびとネーム : Yano
軟包材が多かったことから、軟包材縛りで作ってみました。赤、青などビビッドなもので構成し、色での映えを重視。周囲に散った桜の淡さと人工物の派手さでコントラストを出しています。調和ではなく違和感におもしろさを見いだしていただければ。
それでは今回の映えプラはこのへんで。次回更新の頃にはだいぶ暖かく、というか暑くなっていることでしょう。映えプラは季節の移ろいも感じられる風流な活動です。みなさんもぜひ。それでは。
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取材・文
矢野 豊(名映えプレイヤー)