Series 連載
 
      
    この度、縁あって「あわいひかり」でエッセーを書かせていただくことになったゴトウです。普段はパッケージデザインのあれこれしています。新連載「昨日も飲んでしまいました」では、ライフワークの飲酒を通じて環境についてとりとめのないことを発信していきたいと思っています。正直コンセプトもふわっとしてるので、やさしい気持ちで見守ってください。
 
      ゴトウタカノリ(LITAディレクター)
デザインレーベル LITAで主にパッケージデザインのディレクターしてます。
仕事ください。→https://lita-allthings.com
SDGsシティー、下北沢で大切なものを思い出しました。
 
    
  
今回は僕の原点とも言える古着のお話です。
環境に配慮した〇〇とか、エコロジーとか、循環型社会とか考えていると、結局、古着に行き着くんですよね。
90年代に青春を過ごすと避けては通れないリーバイス501。みんなこぞってボロボロのジーパンを育てたはず。とにかくいい感じに色落ちさせたくて中学・高校の僕は寝る時もジーパンを履くんです。そしてとにかく洗わないんです。洗わずに履き続けるといい感じに色落ちしてハマダーになれると信じていました。(ハマダーとは90年代に神格化されていたダウンタウンの浜ちゃんのファッションを模倣したキッズの総称です。ちなみにシノラーもいます。もちろんアムラーも。)
 
    
  
ジーパン洗濯されてアイロンで縦線つけられてるやん!!
元来、ジーパンとおばあちゃんは相性が悪いんです。
育てに育て上げたジーパンを土曜日の塾に履いて行って、友達に自慢しようと考えていた朝の出来事でした。
いつも置いている場所にジーパンがない。嫌な予感がしました。
 
    
  
勘は当たるものです。
恐る恐る開けたタンスの引き出しにピッチリとアイロンで縦線の入ったジーパンが格納させていました。
終わりです。
アイロンしといたで。
こたつに入ったおばあちゃんが得意げに囁いてきました。
人生で戻りたい場面があるならこの時だと思います。この時に戻って「アイロンありがとう」とおばあちゃんに言えていれば、もっと違う人生になっていたと確信しています。
 
    
  老舗劇場スズナリの入り口にて。
古着とおばあちゃんは相性がわるい。そんな当たり前のことを思い出させてくれた下北沢の午後でした。続く!
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     文 ゴトウタカノリ(パッケージデザイン ディレクター) 




 
          
         
          
        