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地球の環境と家計を守るために始めた片道26キロの自転車通勤!
わたくし、自転車通勤部部長の林健二。
まだ部員1名ですが、お休みしつつなんとか続けていますが、いつまで続くことやら・・・

林 健二(リエゾン)
通勤路から少し寄り道すると、“こんぴらさん”でおなじみの金刀比羅宮があります。
猛暑にもかかわらず、長い長い石段を上りに多くの人が訪れる人気スポットです。
早朝6時少し前、人通りが絶えない日中とは打って変わって、参道は「千と千尋の神隠し」の冒頭シーンのような寂しささえ漂わせ、なんとも言えない良い風情を醸し出していました。

訪れる時間が変われば、景色だけでなく、行きかう人もガラッと変わります。
日中はインバウンドのお客さんで賑わう街も、地元の人たちばかり。
観光地に暮らす人たちの日常が感じられるとともに、
その中でこそ浮かび上がる“こんぴらさん”と地域との関係が、とても神秘的でした。
自転車から降りてゆっくりと街道を歩けば、
一見さびれた感じの商店街の中に、新しいお店や
おしゃれにデザインされた空間が随所に顔をみせてくれます。
厳しい観光事情もささやかれるなかで、地域の皆さんの奮闘を感じます。
日の出前後の時間は、空気が澄んでいて、雑踏や車の行き来する音もなく、
連日の猛暑のなかでも、早朝は心地よい贅沢な時間だとわかります。

清少納言は枕草子の「春はあけぼの」の段で、四季の味わいを今に伝えています。
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夏は夜
月のころはさらなり
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中学校の頃、国語の先生に無理やり暗記させられた一節が、今では僕の宝物です。
私たち現代人は、住環境があまりに便利で心地よくなったことで、
四季の味わいを見過ごしていやしないかと思います。
朝からヒグラシが鳴いています。
不思議と朝のヒグラシはうるさくなく、美しい音色に感じます。
そこで、朝の清々しさに気づいた僕は、
出社前、日の出とともに散歩をはじめました。(自転車には乗らんのかーい! )
今の時期は、朝露に光った稲がとても綺麗です。
この有意義な時間をさらに楽しもうと、下駄を購入しました。
それも、一本歯下駄。素足になんとも気持ちよく、姿勢が良くなるみたいです。
つまり、僕が何を言いたいかと言えば、
日中は暑くて、とても自転車では通勤できないということ。
その代わり、少し早起きすれば
当たり前の日常の中に夏だからこそ楽しめる発見があるということです。
皆さんも、少し早起きして、夏の楽しみを見つけてみませんか。
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取材・文
林 健二(リエゾン)